数日が過ぎた。
 トーマは塔子のパソコンに関しての予想以上の知識や手腕を知って、ホームページに関する全権を塔子に任せていた。
“君たちは流れ星が好きか?”
そんなくだりで始まる塔子が精魂こめて作ったシューティングスターシンドロームのホームページは日に日にアクセス数を増やしていき、すぐにこの手のサイトの人気ナンバー1にまで上り詰めた。
デザイン、内容、文章、全てに細心の注意を払い塔子に指示していた。直接的すぎず、それでいてある程度読み込めば、真意がわかるようにした。そのバランスが大変でトーマは塔子に何度もやり直させたくらいだ。それでも、いざ本格的に作り始めると予想以上のものに仕上げてくれていた。
見に来る人のほとんどが興味本意のただの閲覧ばかりであったが、中には熱心にメールを送ってくる奴もいた。送られてくるメールをトーマが慎重にチェックし、信用が置けてかつ、塔子のようにコントロールしやすそうな奴とはメール交換をし、さらにその中から何人かを絞り込み計画を打ち明けた。
そしてその数もアクセス数が増えていくのに比例して増えていくことになった。トーマは確信した。“あと二ヶ月だな……”と。
しかし、さらに数日が過ぎるころに、珍しくトーマの計算が一つ崩れた。嬉しい誤算だった。ホームページの反響が予想を遥かに凌駕するほど激しかったのだ。
世の中みんなおかしいな、これならもっと早くに計画が実行できるかもしれない。
トーマの心臓の鼓動の音がいつもより少しだけ速く、そして大きく鳴っていた。


参加者サイド・2

 数学の授業の終わりと昼休みの始まりを告げる電子音のチャイムが鳴った。このチャイムでに皆がご飯を食べ始める。なんだか大きな一つ胃袋みたい。そんなくだらないことを考えながら俺はバックから弁当を取り出した。透明な弁当箱の蓋から中身を見ると昨日の夕飯のミニチュアみたいな内容だった。ちなみに昨日の夕飯はエビフライとコロッケ。弁当のおかずもエビフライとコロッケ。
「勇一、おはよ!!」
 弁当の蓋を開けた瞬間にニコニコした真由が俺の前の席に腰を掛けた。
「……お、おう」
 思わず目で幸介の姿を探してしまう。
「あ、コー君は早退したから大丈夫だよ」
「あ、いや、そうんなんだ……」
 気付かれないように探したつもりだったが見透かされていたようだ。ん? 早退?
「あれ? 幸介、早退したの?」
俺のその問いでニコニコしていた真由の表情が一変して真顔になる。
「……うん。さっきね、私、コー君に話があるって言ったの、そしたらさ……」
「そうなんだ、それで早退か……」
「うん、なんとなく気付いてるんだと思う。私の気持ち……」
「そっか……」
「今日は言えなくなっちゃったけど……、明日、私言うからさ」
「……あぁ」
「絶対言うから……、だから勇一はコー君に何も言わなくていいからね? ううん、むしろ何も言わないで。今日、どう言うか考えて明日、私からきっちり言うからさ……」
 真由はどこか凛とした表情をしている。数日前の子供丸出しの顔とは大違いだ。決意をしたのだろう。

そう、あれからもう一週間近く経っている。

 あの瞬間、学校の屋上で真由と唇が触れ合ったその瞬間、脳が考える事を、外的な刺激を全身に伝える事をやめた。体が空っぽな空洞になって、周りからは温度や風、音、そんなものが全て消え去った。
本当に何もかもが止まったんだ。そして、なにもかも認識できなくなった。
そんななかで、ただ一つだけ感じる刺激があった。唇から伝わる真由の唇の湿った柔らかさ。だけどそれすらも鈍くしか感じられなかった。
 俺は動くという機能をすっかり忘てしまったかのようにピクリとも動けなくなった。
触れ合ってからいったいどれくらいの時間が経ったのだろうか、先に口を開いたのは真由だった。
「……ゆ…、勇一?」
 その言葉で全ての感覚を取り戻した俺は弾けるように唇を離した。
「あ、あぁ……、なに?」
さすがに動揺は隠しきれなかった。酷い話かもしれないが、俺からしたキスだったのにその理由がわからなかったんだ。どうしてキスをしたのか……、それがさっぱりわからなかった。
今思うと、数センチ、そんなキスができてしまう距離が一番の理由だったように思う。それだけでも情けなくてどうしょうもないのだけど、もう一つ理由が思い浮かぶ。それは真由が俺のこと好きだと言っていた事、キスしてもいい環境。……情けなすぎる。
ただ、それらも後付けの理論で本当のところはわからない。なにしろ俺って奴はキスしてからキスした事に気付いたくらいの間抜けだから。
「……こ、これって……どういう意味?」
期待と不安が入り交じったような分かりやすい表情で真由が聞いてきた。
なんて答えればいいのか……。俺も分かりやすく言葉に詰まってしまう。
「……とりあえず落ち着いて話そうか?」
しばらくして、やっと出た言葉がこれだった。
俺の声に素直に頷いた真由がようやく俺の首からスルッと腕を放した。少し持ち上げてから真由を自分の足で立たせると、俺を見上げるように見てきた。
「……私ね、勇一が好きだよ、ホントだよ?」
真由が柵の上で取り乱してから初めて冷静な口調になった。
「うん。さっき聞いたよ」
「コー君なんか目に入らないくらい好き」
「……そっか」
「私ね、勇一と付き合いたいの……、一緒にいたいの……、側にいたいの……」
俯いて言ってきた。
「うん。そっか」
 自分でしたキスの衝撃からか、そのときの俺には、その言葉に答えるほど確かなものは持ち合わせていなかった。……今だってない。
 何も言えることのない俺の次の言葉を真由が待っていた。だけど俺は何を言ったらいいのか思い浮かばなかった。だからといって、このまま何も話さないわけにはもっといかなかった。
「……なぁここ上ろっか?」
 真由も肩越しに見えるさっき真由を抱えて入ってきた屋上への入り口の屋根を指差した。そこは配水管をつたって上るといけるところで、ちょっとしたスペースになっている。一年のころ慎ちゃんとたまにタバコを吸っていた場所だ。
「うん。上りたい」
 真由が作った笑顔で言ってくれた。真由にこんな顔をさせたのは紛れもなくあのキスだ。そして、そのキスをした俺だろう。
 俺たちは二人でそこへ上がった。久しぶりに上ったそこはまったくと言っていいほど変わっていなかった。緑の硬い毛がついたオンボロのデッキブラシがなぜか一本、それが大きな貯水槽に立てかけられている。完全に一年前の姿のまま保存されていた。しかも、一年近く前に俺が吸ったタバコの吸殻すらある。あの頃から誰もあのスペースにには来ていなかったのだろう。
貯水槽の逆側の縁に並んで腰を下ろした。そこからは貯水槽に遮られ逆側が見えない。正面も屋上の床が階下に広がる町並みを覆い隠しているため、金網越しに見える二層の空とその隙間から見えるオレンジ色の夕日だけが見える。
「夕暮れ時の空って綺麗だよなぁ」
 意図的に他愛もない話題を振った。
「本当だね。でも私こうやってちゃんと空見たのなんて初めてかもしれないなぁ」
「そうなんだ? 俺は結構空見るの好きなんだよ。ほら、飛行機雲ってあるだろ? あれがすごい好きでさ、冬とか晴れてりゃいっつも空見てんだよね」
「……知ってるよ」
「あれ? このこと真由に言ったっけか?」
「ううん。だって、勇一、飛行機雲が空にあるときって授業中とかでもぼ〜っとしながら見てるでしょ。私、最近ずっと勇一見てるからさ……」
 真由は俺のほうを一切見ずに空だけを見ている。その表情はとても不安げで俺の胸の中をざわつかせるには十分すぎるほど刺激的だった。当然、話は完璧に戻ってしまった。あんなときにはぐらかそうとする俺は相当な悪人かもしれない。だけど、本当に何を言えばいいのかがわからなかったんだ。
今まで俺は真由を好きだとか、キスだとか、そういった対象として見たことはなかった。だから、普通に断れば言いだけの話のはずだ。しかし、……そう、あのキスだ。あのキスのせいだ。真由をどう見ればいいのわからなくなってしまった。そういう対象に見ていなかったことすら疑わしく思えてしまっていた。
 真由が横目で俺をチラリと見てきた。俺と目が合うとすぐに視線を空に戻した。俺が黙っているのが辛いのだろう。なんでもいいからとりあえず何か言わなければならない。それも答えに近いことを……。
「……あのさ、今、真由はさ、幸介と付き合ってるわけでしょ? だから、なんつーかやっぱこういうことはその辺はっきりしてからのがいいんじゃねぇかとか思うんだよな……」
自分からキスしといて勝手な言いぐさだったと思う……、言ってる最中にも自分の言葉に軽い嫌悪感を抱いていた。
「うん」
だけど真由は素直に頷いてくれた。こんな事しか言えなくて本当にすまない……、心底思った。
「……だからさ、俺の答えはその後でいいか?」
「うん」
「俺もさ、真剣に考えるからさ」
「うん……」
二人して黙り込んだ。日中の余韻を残した生ぬるい風が俺たちの間をゆっくりと通過した。そのときの気分も手伝ってまるで、小汚い禿げた中年太りのおっさんに抱きしめられたみたいに気分が悪かった。
「なあ、真由さ、流れ星って晴れてりゃ毎日見れるって知ってるか?」
だから、出来るだけ明るい調子で言った。
「嘘?」
 真由も察してくれて調子を合わせてくれた。真由はいい奴だ。俺なんかよりずっと優しい。
「嘘じゃねぇよ、夜になったら空ずっと見ててみ?」
「嘘だぁ〜」
そう言いながら真由は空を見上げた。俺も空を見上げる。
俺たちは流れ星なんて見えるはずのない夕焼け空を二人でしばらく眺めながら他愛のない話をしていた。
 暗くなってきてから真由を家に送った。別れ際に真由は「今日のこと本気だから」と真剣な顔で言ってきた。俺はただ「あぁ」だなんて言って頷く事しかできなかった。情けない男だ。路上に落ちている軍手みたいにオンボロな気分になった。
自転車で家に帰る道すがら真由の事をたくさん考えた。

背がちっちゃい。
顔は……、まぁかわいい。
うるさい。
うっとおしい。
おもしろい。
基本的には優しくて、楽しくて、いい奴。
唯一の気の合う女友達。
……そして、俺のことが好き。
……幸介とは上手くいってなくて別れる気だと言っていた。
……俺と付き合いたいと言っていた。

……俺は真由の事をどう思っているのだろうか? 今までは意識なんてした事はなかった。関係ないかもしれないが真由でヌイたことなんて今まで一度もない、本当に関係ないなこりゃ。
ともかく、あのキスのおかげで何がなんだかわからなくなってきていた。俺からキスしたんだ。でもわからない……。
「はぁ……」
ため息を一つつき、考えるのが面倒くさくなった俺は自転車を立ち漕ぎで精一杯飛ばして家まで帰った。家の前までほぼノンストップで走った。普段なら十五分はかかるところをこの日は五分でついた。しかし、いくら飛ばしたところで、真由のことは頭から振り払う事なんて出来なかった。自転車を止め、玄関先まで歩いているそんな僅かな時間でさえ常に真由のことは頭から消えることはなかった。
次の日の学校は行くのが嫌だった。だけど行かないわけにはいかなかった。上手くは言えないが休んだら真由に対して失礼なような気がしたんだ。
しかし、真由のほうが学校を休んでいた。丈太郎先生によると風邪を引いたという。
少しホッとしていた自分がいた。
その日一日、幸介を避けてしまった。
次の日から真由は学校に出てきたが、確信に触れるような話は今まで一度もしていない。幸介とはなるべく接点を持たないようにしている……。

 今も俺は相変わらず、目の前にいる真由の顔を見ながら自分の気持ちのありかを探している状態だ。自分の答えがわからないんだ。
 真由がゆっくりとしゃべりだした。
「勇一さ、私のことちゃんと考えてね。でも、私がコー君と別れるってことで勇一が負い目を感じる事なんてないよ。元々私はコー君とは別れる気でいたから。その事に関しては勇一とコー君とのことは別問題だからさ。それで、ちゃんと別れてからもう一回、私の気持ち伝えるね。だから、えっと、あれ? 何言いたいんだかわかんなくなっちゃった。へへ。そう、コー君のことは関係ないってことと、同情とか、私が別れたからしょうがなく付き合うとかじゃなくて、ちゃんとした答えが欲しいってことだね」
 真由は笑顔を作り早口でそう告げると「じゃあね」と言いながら自分の席のほうに戻っていった。
真由は嘘吐かない。インディアン、いや、ネイティブアメリカン並みに嘘を吐かないまっすぐな奴だ。俺は真由といるのが前から心地良かった……。変に気を使うこともなく楽だった。きっと気が合うのだろう。
……てことは、俺は真由と付き合うってことか?
おいおい、真由は幸介の彼女だっての!
だよな、わかってる。
んじゃどうすんだよ?
それはわからない。
 結局、考えはまた振り出しに戻ってしまった。
「はぁ〜」
 俺はループする感情をとりあえず放っておき、弁当をモソモソと食べ始めた。夕飯の残りのべちゃべちゃしたエビフライがさらに俺の気を重くさせた。

□□□□

……授業が全然頭に入ってこない。私の意思を無視して頭の中には勇一や、コー君の映像が浮かんでくる。その映像を消し去って授業に集中しようとしても全くの無駄だった。そう思えば思うほど二人の顔はより鮮明に浮かんできてしまう。自分の頭の中なのに見せられているような気になってしまう。しかたなく私は授業をそっちのけで、そのことを真剣に考える事にした。
……私は明日になればコー君とは他人になる。色々思い出すと楽しい思い出もたくさんあった。
 きっかけは半年ちょっと前だった。私は他の学校の人と別れたばかりだった。別れたというより捨てられたんだ。一回だけエッチすると手のひらを返すように連絡をくれなくなった。辛い恋愛だった。男の人が信じられなくなりそうになった。
そんなとき、町で偶然勇一と会った。そのときはそれほど仲が良いと言うわけではなかったけど苦しくてどうしようもなかった私は勇一にその恋愛について相談した。誰でもよかった、誰でもいいから誰かに聞いてもらいたかっただけだった。
勇一は優しかった。勇一のアドバイスは“勇一節”が強すぎて正直言うとあんまり参考にはならなかった。……でも親身になってくれた。解決策を一緒に色々考えてくれた。
そんな日々が一ヶ月ほど続いた。私は話を聞いてくれるだけでよかったんだけど、勇一はなんにも出来ない自分が悔しかったみたいで私を遊びに誘ってくれた。このまえ屋上に連れてってくれたみたいに、私を楽しまそうとしてくれた。
単純な勇一が私を誘ったのは遊園地だった。クラスの男子三人、女子三人、合計六人で行った。その中にコー君もいて、私はそのとき初めてコー君の存在を知った。遊園地は本当に楽しかった。ことあるごとに率先して馬鹿をやる勇一を見て、顎が外れるかと思うくらいずっと笑いっぱなしだった。
地元に戻ってからみんなで勇一の家で朝まで飲んだ。みんな酔いつぶれるまで飲んで、騒いだ。あんなに飲む事はこれからも二度とないと思う。それくらい飲んだ。
 三日後、私は勇一に呼ばれて勇一の家の近くの小さい公園に行った。でも、そこには勇一じゃなくてコー君がいた。
告白された。
私は返事を保留した。コー君のことをまだよく知らなかったし、やっぱり私はまだ男の子と付き合うのが怖かった。勇一に相談すると「あいつはちょっと頼りないけど優しい奴だから付き合うどうこう考えなくてもいいから一回遊びに行ってみれば」なんて言われた。
 次の日、私はコー君と映画を見に行った。ディズニーのアニメを見た。ちょっと子供っぽいけど感動的で微笑ましい話だった。コー君のほうを見るとコー君は感動して泣いていた。優しい人だなって感じた。
 その帰りにコー君がまた告白してくれた。
私は受け入れた。
それから休日になると水族館に行ったり、買い物に行ったり……、私たちはいつでもどこでも手を繋いでいた。離れないように握るコー君の手は男のくせに細くて小さくて頼りなかったけど、優しくて一生懸命で暖かかった。コー君は口癖のように私を誰にも絶対に傷つけさせないと言ってくれた。私のために死んでもいいなんて、らしくない力強い言葉を本気で言ってくれた。会うたびに抱きしめ合った。
私もコー君が大好きになった。
しばらくするとコー君が少し変わった。弱々しい愚痴を吐いたり、特に何も起きていないのに私に助けを求めるようになってきた。私はコー君を助けたかった。だから必死でコー君を勇気づけ、元気づけた。
……好きだったから。
泣いてるコー君を抱きしめて、コー君が眠るまでずーっとそうしてたこともあった。
コー君の分まで私が強くならなくちゃと思った。
……でも、次第にそれが当たり前のことになっていった。私は強くなくちゃいけなくなった。誰にも甘えられなくなった。私だって辛い事もある。そんなときにまで甘えられると苦しかった。でも抱きしめてあげないとコー君は涙を流しこう言った。
「もう俺のこと嫌になった? 嫌いになったの? 誰か他に好きな人でも出来たの?」
 私は頑張った。辛いときも苦しいときもコー君を抱きしめてあげた。もちろんたまには、
「コー君、もっと強くなんなきゃダメだよ」
 なんてことを言った。でも、
「ごめん、俺なりには頑張ってるんだけどさ…、俺ダメな奴だから……、ごめんね…」
 コー君は俯いて泣いた。コー君にもう少しだけでもいいから強くなって欲しかった。
「頑張ってるんだけど……」
 結局コー君はそう言うばかりで何も変わってくれなかった。
いつからか私の気持ちは離れていってしまった。そうなると頑張れなくなった。一緒に居る事が苦痛になってしまった。
勇一には度々相談していた。勇一は会うたび私を楽しませてくれた。モノマネとかそんなくだらないことばっかりだったけど、でも、いつしか私は勇一と居る時間のほうが好きになっている自分に気付いた。
するとコー君の嫌なところばかり発見しだしてしまった。でも、コー君を一人にするのは躊躇いがあった。きっと私がいないとコー君は生きていけない。比喩でも揶揄でもなんでもなくそのときはそう考えていた。本当に迷った。自分で言うのもなんだけど私は相当苦しんだと思う。でも、私だって幸せになりたかった。
また勇一に相談した。
学校の屋上に連れて行ってくれた。
告白してしまった。
キスしてくれた。
……もう無理だった。
コー君のことなんてどうでもよくなった。とっくに好きじゃなくなっていたことに気付いた。
私は本当に酷い女かもしれない……、でも、もうそれでもいい。酷い女でかまわない。
私はコー君と一緒にいたくないんだ。
勇一と一緒にいたいんだ。
勇一に愛されたいんだ。
……明日、私はコー君を不幸にする。

次へ


戻る